






































NEW LIGHT POTTERY
- type :
- Shop/Office/Factory
- location :
- 奈良市
- date :
- 2025.3
- size :
- 816.10㎡
- photo :
- 河田弘樹
特別天然記念物に指定される春日山原始林の南に位置するNEW LIGHT POTTERYのショップ・オフィス・ファクトリーである。
築27年の歯科医院をコンバージョンし、これまで分散していた2つの拠点を集約移転した。
かつて歯科医院だったとは思えない規模の建築は、風致地区の規制を申し分なくクリアした歪な瓦屋根に覆われていたが、その下に隠れた屋根裏の膨大な気積は、照明を展示するのに十分な可能性を秘めていた。
照明の明かりだけではなく、輝き・反射・屈折・艶・拡散など、さまざまな光の現象に満ちた空間を目指した。
原始林に自生する樹種からなる前庭の小径を進むと、正面の大きな開口部から内部を窺い知れるいくつかの照明が灯り、更に進んだ先に現れるポーチ下の真鍮製の扉は、バーナーで炙った歪みが焦点を与えずその重量が外部と内部の境界を意識付ける。
1階は釉薬のかかったモザイクタイルの光沢が明暗の分布をピクセル化し、コーヒースタンドを内包する多角形に折れるアルミニウムの壁は、手前に吊られたペンダントライトと合わせてグラーデショナルに煌めきながらオフィスへの動線を導く。
瓦屋根に穿たれたトップライトに導かれるように大階段を2階へと進むと、柔らかな拡散光の中、様々な照明に包まれた圧倒的な光の空間に遭遇する。
壁と天井は光を吸収すべく左官で仕上げ、2枚の塀の裏側は暗部にしてスケールを抑えた。
カメルーンのトロピカルハウスで使われたプルーヴェのサンシャッターは、戸車を付けて階段室への引戸としている。
最も奈良らしい場所に新たな拠点を構え、これからも新しい光を放ち続けるNEW LIGHT POTTERYの未来が楽しみで仕方がない。