< (less-than)

type :
House
location :
兵庫県
date :
2018.7
size :
86.15m2
photo :
河田弘樹
甲子園球場にほど近い住宅の新築である。
建主の祖父が永く住んだ敷地は阪神淡路大震災後周囲が建て替わる中、更地のまま取り残されていた。道が細く車が入ることの出来ないこの街区は、いくつも枝分かれした路地に住宅と店舗が連なり、駐車場というノイズの無い風景によって心地よい界隈性が漂っている。
まず始めに敷地の南北方向に長い玄関アプローチを取り、前面道路と裏側の私道を視覚的に繋いで新たな路地を通すことで、街の中に新たな抜けをつくった。アプローチに架けた軒と生垣はベクトルを強めながらも、路地を親密なスケールとしている。
次に小さな住宅ながらも大きな窓を持てる方法を模索した。通常密集市街地において有効な開口部は間口方向に限定されるが、耐力壁を取った残りをそれとすることしかできない。そこで間口いっぱいに2間の筋交を「<」の字に配置し、さらに柱と耐風梁を筋交からオフセットし自由にすることで、サッシのdetailを単純化すると同時に筋交を積極的にインテリアに現した。
階段は日々の昇り降りが暮らしの中に楽しさをもたらすように室の中に解放し、空間にも変化を与えた。
駅からの帰路、細い路地を曲がり、低いアプローチを抜け階段を上がると、明るく風の吹き抜けるリビングが待っている。
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